海外のHPを見てみよう(5) -カナダ環境省-

過日、カナディアン・ロッキーを訪れたおり、カナダの環境問題とくに国立公園での自然保護やゴミ処理、トイレの施設などについて学ぶ機会がありました。野生生物の保護とか生態系の保全などに関しては以前から我が国に比べて相当に力を入れて実施していることは理解していましたが、今回の訪問ではこの方面での施策へ重点をおいていることは、以前と変わっていないようでした。

そこで帰国後に改めてカナダの環境対応について学習することにしました。まず「海外のHP:環境省」のシリーズの(5)として、「カナダ環境省[Environment Canada]」のHPを見てみましょう。(カナダはバイリンガルの国ですので、ホ-ムページも英語版とフランス語版があります)

Environment Canada のホームページ(英語版) 
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http://www.ec.gc.ca/default.asplang=En&n=FD9B0E51-1 ]


HPのレイアウト等については図(2011/8/8版)を見ていただき、ここでは掲載されている記事の概要を述べたいと思います。

まず中央トップの「焦点」では7項目について記しています。最も強調したい項目だと思います。

1:オイルサンド地域の環境モニタリングに環境省がどうかかわっているかを学びましょう。
2:環境協力会議(米国・メキシコ・カナダ)の合意文書に署名するエルヴィナ長官、ジョンソン長官とケント大臣。
3:気象台がモバイルになる!あなたのスマートフォンで気象情報をゲットしよう。
4:五大湖で藻類の繁茂が、なぜどこでも見られる現象になったのか、また解決のためにどんなことが行われてれているのかについてもっと学びましょう。
5:大気浄化の科学研究において環境省が如何に主導的働きをしているかを学びましょう。
6:この夏海へ出かける前に、海の気象による危険をどうやって回避するかを学びましょう。
7:毎日、紫外線指数をチェックして太陽に対して身の安全を護りましょう。

次に左の欄では、
「環境省」:カナダ環境省について、環境大臣の紹介、
「資料」:法律と規則、環境指標、刊行物、
「トピックス(題目)」:大気、気候変動、法的強制、環境緊急事項、自然、汚染と廃棄物、科学技術、持続的発展、水、天候・気象、
「あなたに出来ること」:環境にたいして行動をおこすこと、寄付すること、

右側の「ハイライト」欄では:
カナダの温室効果ガスの排出動向、
京都議定書の義務事項に関す国内会議の応答、
京都議定書の目的達成のための気候変動計画、
総合的なオイルサンド・モニタリング計画、
アルバータ州のアサバスカ低地域計画に対するカナダ政府の対応


HPの内容は、大気圏、水圏、生態系の各分野にわたっていますが、森林国カナダとしては森林保護や生物種の多様性などについての記事は見られませんね。代わりにと言っては何ですが、石油資源として最近とみに重要性を増している「オイルサンド」についての記事がかなりあります。
もうひとつ気になることは、「地球温暖化」対策に関するカナダの方針です。HP上ではかなりの関心を持って記事が掲載されています。しかし、リンクを探って詳細な記事を読んでみると、少々がっかりすることが明らかとなりました。

カナダは2012年までに、温室効果ガス排出量を1990年比で6%削減することが京都議定書で義務づけられていますが、この削減目標は日本と同じです。2007年4月29日、カナダの環境相は、カナダが京都議定書に定められた温室効果ガスの6%の削減目標を達成することは不可能であるとして、目標達成を断念したと発表しまのです。

京都議定書に署名した主要国のうち目標達成の断念を表明したのは、カナダが初めてだと言われています。目標達成の断念を決めた理由として、2007年4月時点で既に30%の排出増加を記録していることを挙げています。(2006年現在のカナダの温室効果ガス排出量は約33%増とも言われており、EUが2%減、日本が約8%増、アメリカが約16%増) 目標を見直した結果、新しい目標設定値としては、「2020年までに2000年時点から排出量を20%削減する」とカナダ環境相は表明しました。

こうしたカナダの態度の変化の裏には、国内のオイルサンド産業が盛んなことが挙げられます。オイルサンの精製過程では膨大な量の温室効果ガスを排出するため、個々の温暖化対策では追いつかない状態なのす。このため温暖化防止に力を入れることよりも経済発展の方向を選択したようです。

カナダの各州では気候変動に対する様々な活動が行われていますが、カナダが連邦としての大きな動きが見られないというのが現状のようです。2009年12月の「コペンハーゲン合意」(COP15)に基づいて、カナダは温室効果ガスを2020年までに2005年比で17%削減することを表明しました。しかし、「その削減目標は米国と協調する」と述べています。
(この辺のことは、HPの右下の欄:「Quick Links」のCanada’s Action on Climate
Change → Canada’s International Actionに詳しく書かれています)

今回は「温暖化問題」ばかりとなってしまいましたが、その他の環境問題については次回にしたいと思います。
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by wister-tk | 2011-08-13 22:56 | 海外の情報
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