カテゴリ:環境学習など( 55 )

「むさしのサイエンスフェスタ2015」に参加しました

第9回目の「むさしのサイエンスフェスタ2015」は、むさしのサイエンスフェスタ実行委員会・武蔵野市教育委員会共催で、2015年11月3日に行われました。会場は去年と同じく武蔵野市総合体育館でした。
子供たちに「科学のおどろき・発見・楽しさを感じてもらい、さらに子供たちの科学への興味と関心を高めるきっかけとなること」を期待して、毎年、行われています。今年は30団体の参加がありました。

われわれのブースは、「化石のレプリカを作って地球の歴史を探ろう」と言うテーマでした。ブースの運営主体は、「むさしの・こどもエコフォーラム」でしたが、私たち「武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会 MECC」のメンバーは、このブースを支援する形で参加しました。

展示企画の目的は、化石を学習することによって地球の誕生から今日まで、46億年の地球環境の歴史を学び、環境問題の重要性についての認識を深めてもらおうということでした。

寺木秀一教授(新潟薬科大学・MECC会員)には、化石およびレプリカ作りのご指導と子どもたちへの説明をしていただきました。また武蔵野市教育委員会の計らいで、国立科学博物館より多くの貴重な展示用化石を借用しました。この実物の化石が、子供たちばかりでなく保護者の皆さんの、地球の歴史と環境への興味と関心を高め、本当に効果が抜群でした。

化石のレプリカ作りの対象は、本来は小学校高学年でしたが、例年のことながらどちらかと言いますと低学年が多かったようです。20人を一組として3回行い、アンモナイトの化石のレプリカを作りました。まず目を保護するために実験用ゴーグルをつけ、紙コップに石膏粉をいれ水を加えてよく練り混ぜ、これを予め製作しておいたプラスチック製の型に詰めて、硬化後に形から取り出して、レプリカは出来上がりです。

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子どもたちにとっては、石膏に水を加えて練り混ぜる作業が意外に難しく、特に適度な粘性を持たせてプラスチックの型に詰め込める状態にすることは、可なり苦労したようです。それでもみんな頑張って予想以上に素晴らしいレプリカを完成させ、自分の名前を書き込んだラベルの入った特製の標本箱に納めると、満足の笑顔がこぼれました。子供たちの嬉しそうな笑顔を見ると、われわれも疲れを忘れて本当に幸せな気持ちになり、また来年もとの新たな意欲が湧いてきます。
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by wister-tk | 2015-11-10 16:40 | 環境学習など

こども科学実験教室に参加しました

武蔵野市の西久保コミュニティセンター主催の「こども科学実験教室」に初めて参加しました。実験の内容は、「むさしのサイエンスフェスタ2014」と同じで、テーマは「化石のレプリカをつくって地球の歴史を探ろう」でした。私は武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会・MECCのメンバーとして、「こども・エコフォーラム」を支援する形での参加でした。

参加対象は小学校高学年ということでしたが、低学年が多くしかも幼稚園児も参加していたようです。また特徴的だったのは、保護者が多く参加されて、しかも熱心に作業に取り組んだり、説明を聴いたり、さらに可なり高度?な質問も出ていました。参加人数は、30人でしたが、1回で終えましたので担当者としては、比較的負担がすくなかったと思います。

小さい子たちだったので、この行事をとおしてどれほど地球環境の大切さを理解したかは、定かではありませんが、それなりに熱心に取り組みりっぱなレプリカを作成して、大満足の様子でした。子供たちのこれからの成長において、今回の実験教室が少しでも役に立つことを願っています。

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by wister-tk | 2014-12-10 20:33 | 環境学習など

サイエンスフェスタ2014に参加して

今年も武蔵野市教育委員会主催の「むさしのサイエンスフェスタ2014」が、11月1日に行われました。例年、大野田[おおのでん]小学校の体育館で行われてきましたが、会場が手狭とのことで今年は、武蔵野市総合体育館が会場となりました。

私たち「武蔵野・多摩環境カウンセラー協議会 MECC」のメンバーは、昨年と同じく、「むさしの・こどもエコフォーラム」を支援する形で参加しました。われわれのブースは、昨年と同じく「化石のレプリカを作って地球の歴史を探ろう」と言うテーマでした。

今回も昨年と同様に展示企画の目的は、化石を学習することによって地球の誕生から今日までの地球環境の歴史を学び、環境問題の重要性についての認識を深めてもらおうということでした。MECC会員である寺木秀一教授(東洋大学)のご指導と子どもたちへの説明をしていただきました。また国立科学博物館には展示用化石の借用などお世話になりました。

対象は小学校の高学年でしたが、どちらかと言いますと低学年が多かったようです。一組20人として3回行いました。今回はアンモナイトの化石のレプリカを作ることにしました。レプリカは、まず紙コップに石膏粉をいれ水を加えてよく練り混ぜ、これを予め製作しておいたプラスチック製の型に詰めて、硬化後に形から取り出して出来上がりです。

子どもたちにとっては、石膏に水を加えて練り混ぜる作業が意外に難しく、特に適度な粘性を持たせてプラスチックの型に詰め込める状態にすることは、可なり苦労しました。それでもみんな頑張って予想以上に素晴らしい作品を完成させることが出来ました。

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各回の「講義」では、寺木先生から、まず「この工作(実験)の目的など」について化石の標本を提示しながら説明があり、続いて「作業の手順と注意事項」について説明がありました。また練り混ぜた石膏を型に詰め終わった段階で、「地球・人類の歴史」や「化石の持つ意味」などについて寺木先生から説明を受けました。化石の種類や化石の出来るプロセス、化石のできた年代、さらに地球の歴史などを学習しました。

「講義」が終わってから子供たちは、国立科学博物館から借用した恐竜の化石やアンモナイト、三葉虫、サメの歯などの化石標本を触って、本物の化石の触感を楽しみました。出来上がったレプリカは、自分の名前を記入たラベルと一緒に標本箱に入れて持ち帰ってもらいました。
以上
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by wister-tk | 2014-11-10 19:29 | 環境学習など

燃料電池車はほんとうにエコでしょうか?

まえがき
よく知られているように「燃料電池車」は、燃料の水素を酸素と化学反応させて発電し、モーターの回転によって駆動する自動車です。排出するのは反応生成物の水だけなので、極めて環境負荷の少ない車だとされています。本当にそうなのでしょうか?ここでは「ほんとうにエコかどうか」少し学習してみたいと思います。

1.構造が複雑
 非常に単純な比較として構造(メカ)的には、燃料電池車が最も複雑だと思います。次いでいわゆるハイブリッド車、そして現行のエンジン車と続き、最も単純なメカは電気自動車となるでしょう。と言うことは自動車の生産から廃棄までのライフサイクルにおいて、まず生産の段階で燃料電池車は環境負荷が大きくエコカーとは言えないでしょう。

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出典:http://blogs.c.yimg.jp/res/blog-33-90/yqsbc547/folder/1455491/36/59937336/img_0


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出典:http://namikidokei0505.seesaa.net/article/122412576.html

2.水素の製造コスト
 さらに運転に必要な燃料を水素とした場合、水素の製造過程における温室効果ガスの排出が問題となります。水素の製造方法には種々ありますが、大規模に生産するためには一般的には水の電気分解となるのではないでしょうか。つまり水素の製造には電力が必要になる訳です。安価な水素を得るためには安価な電力が必要と言うことです。当然ながらここで必要な安価な電力は、環境負荷のないことが重要ですから、いわゆる再生可能エネルギーの部類に入る電力となります。
 このような環境負荷のない再生可能エネルギーとしての電力が豊富に得られるならば、運転・走行モードにおいては、水素を燃料とした燃料電池車はエコカーと言えるでしょう。

3.エネルギー効率の問題
しかし、大量の水素を安価に製造することを可能とするほどの安価な電力が供給できるのなら、敢えて電気エネルギーを水素エネルギーに変換して利用するよりは、電気エネルギーそのものを直接利用した方が、エネルギー効率が高いのは明らかです。当然のことながら、ここで想起されるのが電気自動車の利用です。

4.電気自動車
 電気自動車は、現行のエンジン自動車のエンジン部分を電気モーターに変換すればメカ的にもシンプルとなり、新たな技術開発をほとんど要せず目的を達成できると思われます。当然ながら所要の走行距離を得るためのバッテリーの開発が重要な課題となることは明らかです。

電気自動車の仕組み

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出典:経済産業省HPhttp://www.meti.go.jp/policy/automobile/evphv/what/ev.html


電気自動車の実例(1回の充電での走行距離:390Km)

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出典:BMWのHP:http://www.bmw-i.jp/BMW-i3/ 


おわりに
 と言うことで結論はほぼ見えています。水素燃料搭載装置の安全性確保や水素燃料供給システムなどの技術開発や新規のインフラ整備を必要とする燃料電池車よりは、シンプルなメカとエネルギー利用効率の良好な電気自動車を目指して高性能バッテリーの技術開発に全力を挙げるのがベストウェイと確信しています。

 米国ではすでにハイブリッド車をエコカーの認定から排除する方向で動いており、また欧州ではすでに電気自動車への転換を想定して技術開発が進んでいると言われています。わが国もこの方向に舵を切り国際基準に乗り遅れないよう積極的に関わって行くべきではないでしょうか。


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by wister-tk | 2014-10-18 20:18 | 環境学習など

「高温ガス炉」ってなあーに?

はじめに
現行の軽水炉に代わるより安全な原子炉として「高温ガス炉」が話題となっています。冷却材として軽水炉が水を使うのに対して、高温ガス炉では不活性なヘリウムガスを使います。ここでは主に安全性の観点から、高温ガス炉について、軽水炉と熔融塩炉と比較しながら学習したいと思います。


 軽水炉、高温ガス炉、熔融塩炉の比較


          軽水炉           高温ガス炉              熔融塩炉
核燃料:    濃縮ウラン         二酸化ウラン            トリウムフッ化物
燃料被覆材: 金属被覆管(燃料棒)  セラミック4重被覆燃料粒子   熔融塩に溶解
冷却材:      軽水           ヘリウムガス            熔融塩
冷却材温度:  300-350℃       900-1,000℃          700℃
減速材:      軽水            黒鉛(炉心構造材)       黒鉛(炉心構造材)
出力規模: 150万kWe程度大型化 15-30万kWe小型モジュール化、1万-30万kWe
発電方式:   水蒸気発生タービン駆動 ガスタービン発電        水蒸気発生タービン駆動
発電効率:    30%程度         50%以上 44%程度
熱の利用:     なし            工業的利用可能         工業的利用可能
炉心溶融:     可能性あり        生じない             生じない
大量放射能放出: 生じる           生じない             生じない
水素・水蒸気爆発:可能性あり        非常に起こりにくい      生じない
機器の腐食:    問題ない         問題ない            問題あり
高レベル廃棄物: 大量に生成する     殆ど生成しない        殆ど生成しない
放射性廃棄物処理機能:なし         なし               あり

「高温ガス炉」とは
「軽水炉」は、金属被覆管を使用し、冷却材には水(軽水)を用いていることから、原子炉から取り出せる温度は300℃程度に制限され、蒸気タービンによる発電効率は30%程度に過ぎません。

一方、「高温ガス炉」は、炉心の主な構成材に黒鉛を中心としたセラミック材料を用い、核分裂で生じた熱を外に取り出すための冷却材にヘリウムガスを用いた原子炉です。このため「高温ガス炉」は、耐熱性に優れたセラミック材料の使用により1000℃程度の熱を取り出すことができます。また「ガスタービン発電方式」が採用でき、45%以上の発電効率を得ることができます。さらに、発電以外にも化学工業等のさまざまな分野で高温の熱を利用できます。

高温ガス炉の燃料に用いられている4重被覆のセラミック燃料粒子はきわめて耐熱性が高く、1600℃と非常に高温でも破損しないと言われています。炉心を構成している黒鉛材料の熱容量が大きく、異常が起きても炉心の温度変化が緩慢であることから、配管が破損して冷却材のヘリウムガスがなくなるような事故が起きても、炉心で発生する熱は原子炉の容器表面から放熱されることにより自然に除去され、燃料が破損する心配はないと言うことです。すなわち、どんな場合でも、炉心溶融や大量の放射能放出事故が起きる恐れのない、きわめて安全な原子炉と言われています。
出典:(独法)日本原子力研究開発機構 資料「高温ガス炉とは」より
http://www.jaea.go.jp/04/o-arai/nhc/jp/data/htgr_what/data_htgr_what.htm

高温ガス炉のしくみ
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出典:朝日新聞デジタル2014.11.28.;http://togetter.com/li/750821

「高温ガス炉」への疑問
これに対して「高温ガス炉」の安全性に疑問を呈する論調も見られます。
      出典:http://tyobotyobosiminn.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/post-74c4.html

①ヘリウムを原子炉核燃料の冷却材に使っているからといって、「核分裂反応が自動的に止まり」というのは「なんじゃらほい」である。そんな虫のいい話があるのかよ、ということだ。

②原子炉及びその配管から大量に漏れ出して「冷却材喪失事故」ということはありうるだろう。あるいは核燃料が何らかの理由で「暴走事故」(勝手に核反応が爆発的に増大すること)を引き起こすかもしれないが、そんなときでも「核分裂反応が自動的に止まり」などということなのか。

③「核燃料を空気で自然に冷却できる」についても、ヘリウムガスを1000度まで温度上昇させる膨大な核燃料の熱量をどうやってかわしながら、空気でもって原子炉炉心を自然に冷却できる」などと言えるのだろうか

④高温ガス炉の原子炉炉心で発生する中性子によって、このヘリウムガスが放射化ないしは原子核反応を起こして、危険な物質に物理的に変化することはないのか。もしありうるとするのなら、とてもじゃないが、安全などとは言えそうにない。 

⑤従って、高温ガス炉が軽水炉(沸騰水型、加圧水型)よりも安全性が高いなどとは、現段階ではとても納得のできることではない。

⑥「一方、扱う温度が高く原子炉内の材料の耐久性など技術的に難しい点も多い。」 この点は高温ガス炉のポイントの一つである。

などです。


おわりに
産経ニュース(http://www.sankei.com/life/news/140825/lif1408250026-n1.html)によると、
 「東京電力福島第1原発事故の教訓を受け、過酷事故のリスクが低い次世代の原子炉「高温ガス炉」が脚光を浴びている。放射性物質の放出や炉心溶融などが起きないとされ、2030年の実用化を目指して実験が進んでおり、国は研究開発を積極的に推進していく方針だ。」

とのことです。

しかし、「高温ガス炉」の安全性と経済性については、「トリウム熔融塩炉」」との比較検討は見られません。「初めに高温ガス炉ありき」の感がぬぐえないのは私だけでしょうか?
軽水炉の場合と同様に複雑な構造とすることにより、さらに高額な器材の交換や高コストのメンテナンスを必要とするような構造システムとすることで、受注企業の利潤を上げるための仕組みではないか、と疑いたくなりますが皆さんは如何ですか?(米国において軽水炉から熔融塩炉に変換しようとする政府の方針に対して、熔融塩炉では利益が上がらなことを理由に、原子力関連企業が議会で猛反対したことは、よく知られている事実です)
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by wister-tk | 2014-09-28 20:15 | 環境学習など

生物多様性において外来種とは何か?

はじめに
生物多様性とは何か?また、生物多様性の重要性については、既にこのブログの2010年2月15日号で述べています。「生物多様性」と言うのは、ひとつには、あらゆる生物種の多さと、それらによって成り立っている生態系の豊かさやバランスが保たれている状態を言いますが、ふたつ目としては、さらに生物が過去から未来へと持続するための遺伝子の多様性をも含む広い考え方です。
当然ながら私たちは、生物多様性が織りなす豊かな生態系にあって、快適な空間の中で生きています。しかし、最近になって特に問題視されているのが、いわゆる「外来種」と呼ばれる生きものたちです。一体、「外来種」とはどのような生きものを言うのでしょうか?今回は「外来種」について学習しようと思います。

1.外来種とは?
「外来種」の定義としては、「他の地域から人為的に持ち込まれた生物のこと」と言うことになっています。生態系や経済に重大な影響を与える場合もあり、また、ある種の環境問題として扱われることもあります。一方、外来種に対して、その地域に以前から生活している生きものを「在来種」と呼んでいます。また、「国外外来種」・「国内外来種」と区別することもあり、これらはそれぞれ国外から移動してきたか、または国内の他の地域から来たかによって区別しています。

それでは、生きものを「外来種」として扱うのは、過去に導入されたどの時点で言うのでしょうか?と言うことについては、統一的な解釈はないと言われています。わが国では明治元年を区別の堺としていて、明治元年以前の時代に導入された生きものは、正確な記録の確認が困難なためなどの理由で対象外とし、明治元年以降に導入された生きものを外来生物の対象とすると決められているようです。

2.家ネズミも外来種か?
わが国においては、畑作文化とともにモンシロチョウ、アカザ、ナズナなどが移入され、稲作文化の導入と関係が深いと言われているスズメや人家を棲家とすることの多いドブネズミ・ハツカネズミなどの家ネズミ類、ジャコウネズミなどが生息しています。これらの生きものは、先史時代に人の移動・定着・農耕などによる新しい環境の出現によって、新しい地域に移入したと推定される「記録のない生きものたち」で、先史以前にすでに生息していたと言う意味で、特に「史前帰化生物」と言われています。

これらの生物は、数千年以上の長い年月を経て、在来の生態系に組み込まれているとものと見なされ、生態系への影響を理由に駆除されることもなく、また外来種と認識されることもほとんどありません。
また、渡り鳥や迷い鳥、回遊する水生生物など、生物「自らの能力によって移動してきた生きもの」は、外来種と見做さないとのことです。結論としてわが国における「外来種」は、明治以降、人間の生活や経済活動などのために「人為的に人間によって導入された生きもの」と言うことになります。

3.ペットや家畜も外来種か?
広い意味での外来種には、ペットや家畜それに園芸用の植物などのほとんどの生きものが含まれます。ですから世界中においては、多くの種類の生きものが外来種として継続的に導入されていると言うことができます。しかし、幸いなことに外来種の多くは、導入されても容易には野生化することが出来ないと言われ、また野生化できたとしても数世代の短い世代交代の間で消滅してしまうと言われています。
一方、一部の外来種は、新たな侵入地域にはその外来種の特異的な天敵がいないなどのために、外来種の成長や繁殖能力が向上して、問題を引き起こすほど拡散し、定着することがあります。このように原産地において生息していたときには、特に問題を起こさず他への影響も少なかった生きものが、新しい定着地で攻撃的な侵略性を発揮することも少なくないと言われています。

4.外来種の例 [出典:Wikipedia・外来種](一部省略・加筆)
(1)人間が何らかの目的をもって意図的に持ち込んだ外来種の例
①農業用・漁業用として導入:
●ウシガエル(北アメリカ原産、食用として導入、食材としての価値を失い野生化して、在来種を殲滅的に捕食)、●アメリカザリガニ、●セイヨウオオマルハナバチ(ヨーロッパ原産、花粉媒介昆虫として導入、盗蜜するが花粉はつけないため本来の目的を果たさず、在来種のマルハナバチを駆逐する)
●ニジマス、●カワマス、●ブラウントラウトなど(サケ・マス類)

②天敵として導入:
●ジャワマングース(アラビアから東南アジア原産、沖縄でハブ退治に導入、ハブを食べずにニワトリや野鳥さらにヤンバルクイナを捕食するようにうなる)
●カダヤシ(アメリカ中南部原産、蚊の幼虫ボーフラ退治で導入、在来種のメダカを駆逐)

        ウシガエル[2]              アライグマ[香川県庁HP]
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③産業振興・娯楽用:
●ブラックバス(オオクチバスなど)
●ホシムクドリ(ヨーロッパ原産、都市害鳥の代表格、ニューヨークのセントラルパーク)、
●コウライキジ(朝鮮半島、中国原産、狩猟用、食用、観賞用として導入、日本の国鳥である在来種のキジとの交雑が進み純粋なキジは存在しないと言われる)、
●ヤマドリ●コリンウズラ(日本各地に大量に放鳥)

        オオクチバス[2]                コウライキジ[2]
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④緑化・ガーデニング用:
●シナダレスズメガヤ(南アフリカ原産、道路法面保護として導入、絶滅危惧種のカワラノギクやカワラニガナといった在来種を駆逐)●オニウシノケグサ ●ハリエンジュなど
●ハルジオン、●オオハンゴンソウ、●オオキンケイギク、●ルピナス、●ランタナ、●フランスギクなど(適応力の高い植物が、ときには国立公園などの原生的な自然環境にまで広がっている)

⑥ペット用・家畜用:
●アライグマ(北アメリカ原産)●アカミミガメ(幼体がミドリガメ・アメリカ)、
●ヤギ、●カイウサギ、●イエネコ、●イエイヌ


(2)人間が意図することなくまったくの偶然で侵入してしまった外来種の例
●シロツメクサ(クローバー:ヨーロッパ原産、オランダからの献上の器物の間に詰め物として使用されていたのが最初の持込、その後、牧草,緑肥,緑化用として輸入、在来種,畑作物との競合、土壌窒素の蓄積、在来の草本植物、農作物への影響)、

●セアカゴケグモ(オーストラリア原産)●ハイイロゴケグモ(オーストラリア、中央・南アメリカ原産)、

●ムラサキイガイ●ミドリイガイ●タテジマフジツボなど、世界中の港を行き来する貿易船の船体に付着したり、船の重量調節用のバラスト水に混入したりして日本に導入された水生生物は、少なくとも24種にのぼる。

●カワホトトギスガイ(カスピ海、黒海原産)が、アメリカの五大湖でもバラスト水にから侵入し、水中に存在するあらゆるものを覆い尽くすほど爆発的に大発生している。

●サキグロタマツメタ(東アジア原産)という捕食性巻貝が、放流用のアサリに混入して拡散したように、意図的に導入された生物に付着することで気づかぬうちに導入されてしまった外来種もある。

●カワヒバリガイ(中国、朝鮮半島原産)も輸入シジミに付随して導入されたのではないかと疑われている。

5.外来種の影響と被害
侵略性の強い外来種が引き起こす問題として、生態系に与える影響、環境保全の問題、農林漁業等への被害、感染症やヒトの生命への危険、遺伝子の撹乱などが挙げられますが、数種の項目にまたがるものも少なくないと言う。

(1)生態系への被害
●島などのように生態域の狭い所では、粗食と悪環境に強く草を根こそぎ引き抜いて食べるノヤギによって、植生が壊滅的な打撃を受ける場合があり、その例としてハワイ諸島、ガラパゴス諸島、伊豆諸島、小笠原諸島、尖閣諸島などが挙げられています。

●南西アジア原産のジャワマングースは、沖縄島や奄美大島に定着していますが、この島に生息する希少動物であるヤンバルクイナやアマミノクロウサギなどを捕食して、これらの島の生態系に深刻な被害を与えています。

●グリーンアノール(北アメリカ原産)は、1960年代に小笠原諸島に導入された外来種のトカゲですが、現在は個体数が数百万にまで拡大し、オガサワラシジミやオガサワラゼミなど小笠原固有の昆虫を捕食し、昆虫群集の衰退をもたらしていると言うことです。

●外来種の水生植物のなかには、大増殖して水面を覆いつくして在来植物の生育を妨げ、大量に枯死した場合は水質を悪化させます。特に熱帯アメリカ原産のホテイアオイは、他の外来水生植物と同じく生態系への悪影響の点で世界的に問題となっていて「最悪の水生害草」と呼ばれています。

          ケナフ[2]               ホテイアオイ[2]
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(2)環境保全における問題点
●ホタルの例:自然を回復させるための自然保護活動やビオトープ活動などの環境保全活動において、外来種問題に無理解なために、地域の自然をかえって破壊してしまう場合もあると言われています。その一例として、「ホタルの復活」があります。開発によって消滅あるいは消滅しそうなホタルを呼び戻そうという活動です。
しかし、こうした「ホタルを呼び戻そう活動」の中には、地域のホタルの遺伝的多様性を考慮しないで、無差別にホタルの放虫が行われる事態が多発していると言われています。ある県の場合で、町役場が観光用に移入した他県産ゲンジボタルを多量に養殖し放虫したため、外来種が在来種を駆逐して、その個体数を著しく減少させてしまったと言うことです。

●ケナフの例:1990年代に注目を集めたケナフ(アフリカ西部原産)は、二酸化炭素を吸収する能力が高く、地球温暖化防止につながる環境にやさしい植物として、多くの植栽が推奨されたという。しかし、ケナフを大量に植栽するために、多くの在来の自然植生が伐採されて生態系が破壊されたという本末転倒の事例も生じています。

(3)農林水産業等への被害
外来種が、農林水産業の進展に大きく寄与することがありますが、他方で農林業や漁業に膨大な被害を与える外来種もあると言われています。
南アメリカ原産のヌートリアは、わが国では1940年代の初めころまでは毛皮を取るため飼養が盛んでした。しかし、需要がなくなった1945年以降は飼育されなくなり生態系へ放出さたため、中部地方から西の各地の河川や沼地に定着しました。この地域ではヌートリアによる農作物(イネ、ニンジン、サツマイモなど)の大きな被害が報告されています。わが国における他の例としては、アライグマ、キョン、イノブタなどの陸生哺乳類が農作物被害を引き起こしていることが知られています。

また、わが国では第二次世界大戦中に、食糧増産のため魚の家畜に相当する家魚(かぎょ)を中国から導入しました。いわゆる四大家魚(よんだいかぎょ)として、ソウギョ 、ハクレン、コクレン、アオウオが、利根川水系に導入されましたが、食糧問題の解決にはならなかったと言われます。
しかし、その後ソウギョは、水域の除草目的に転用することになったのですが、過剰な放流によって在来種の水生植物群落が形成する生態系を壊滅的な状態とした事例が報告されています。富栄養化した水域では、ソウギョによる水草除去がある程度終わった段階から植物プランクトンが大量に発生し、水草が繁茂していたときの環境よりもよりさらに悪化して問題となりました。

(4)感染症と人間の健康への被害
従来その地域にはいなかった病原菌や寄生虫が、外来種と一緒に入ってきた場合、人間や在来種に被害を与える場合があります。

●狂犬病や犬ジステンパー:1950年ごろのニホンオオカミの絶滅の原因のひとつが、輸入犬からの伝染病である狂犬病や犬ジステンパーによる個体数の減少だと言われています。また、タヌキやキタキツネにも同じように伝染病の被害が出ているそうです。

●ノイヌの犬ジステンパー:アフリカのタンザニアのある国立公園の周辺には3万頭ものノイヌが生息すると言われています。これらのノイヌが持ち込んだ犬ジステンパーによって、地域に生息する25%のライオンが死亡したことが報告されています。

●ネコエイズ:ノネコに起因すると言われる猫後天性免疫不全症候群(ネコエイズ)が、ツシマヤマネコに感染した事例も見つかっており、イリオモテヤマネコも脅威にさらされていると言われています。

●アリの被害:世界各地に定着しているアルゼンチンアリ(南アメリカ原産)は、屋内に侵入したり、就寝中の人間を咬むなどして、不快害虫となっている。さらに、北アメリカでは大勢の人が、アルカロイド系の毒をもつアカヒアリ(南アメリカ原産)に咬まれ、死亡する事態も生じていると言う。

●花粉症の被害:ブタクサやオオブタクサなどのキク科植物、またカモガヤやオオアワガエリなどのイネ科植物は、外来植物の雑草として市街地などの人間の生活に近い場所に生育している。これらの外来植物の花粉は、花粉症を発症させて人の健康に悪影響を及ぼしていることはよく知られています。

●エキノコックス寄生虫:人間がエキノコックス寄生虫に感染すると重い肝炎を引き起こすことが知られています。北海道の礼文島では害獣を駆除するためキツネを輸入したのですが、このキツネの中にエキノコックス寄生虫に感染したものがいたと言うことです。礼文島におけるキツネは、完全に駆逐されたのですが、エキノコックスは海を越えて北海道本土のキタキツネに感染して広がり、ついに人間へも感染してしまいました。ところが2005年にエキノコックスの卵が、さらに埼玉県で確認されたためホンドキツネへのエキノコックスの感染拡大が心配されていると言うことです。

(5)遺伝子の汚染
外来種が在来種と交雑することによって、在来種の遺伝子が変ることがありますが、これが遺伝子の汚染現象です。外来種の遺伝子が広範囲に拡散すれば、それまでその個体群が共有していた一定の変異幅をもつ遺伝子の総体が汚染を受けて、元の状態を回復することが事実上不可能となると言われています。固有種に外来の遺伝子が流入した場合、長い進化の歴史を経て形成されてきたそれらの種が消滅することになるため、問題は特に深刻であると言われています。

また、農作物や家畜の品種改良の場合は、人間にとって都合のいい優れた特性が、交配によって達成され、原種と大きく異なった形態・形質の品種が生み出されます。こうした現象は人為的に制御された条件下で行われるのに対して、自然環境下の動植物で遺伝子の汚染が広がった場合は、汚染前の状態に戻すことはできず、交雑種が新たな害を及したり、生態系全体のバランスに大きな影響を与える恐れも生じます。


おわりに
豊かな生態系を保全するための重要なキーワードである「生物多様性」おける「外来種」の関わり合いについて学習しました。外来種の定義、外来種の影響と被害、さらに環境保全における問題点、生態系への被害、遺伝子の汚染、農林水産業への被害、感染症など人への危険などいついて学習しました。その結果、外来種としての定義や区分や線引きは、特に古い時代の生きものについては、極めて難しいことを学びました。また特に外来種の影響による被害の事例については、近年において生じた事例が多く、これらの問題が社会経済の発展と生産活動の高度化および経済活動のグローバル化などが大きな要因となっているとが考えられます。
今後とも社会経済の進展に伴って外来種問題は、ますます頻度も多くなり多様化するものと予想されますが、問題解決への基本的なスタンスとしては、環境保全、特に生物多様性を踏まえた生態系の保全を枠組みとすることだと思います。


<参考文献>
1.Wikipedia(フリー百科事典):外来種、2015.2.27 更新版
2.独立行政法人・国立環境研究所:侵入生物データベース、http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/
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by wister-tk | 2014-08-25 15:49 | 環境学習など

地球温暖化はどうなっているの?(IPCC第5次報告書から)

はじめに
  国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の会議が、2014年3月25~29日、横浜市で行われました。その成果として、第2作業部会のテーマである地球温暖化の「影響と適応」に関する、新しい報告書が3月31日に公表されました。この報告書では、温暖化の影響は避けることができず、またその程度にしたがって自然災害などの大規模化や食糧危機、さらに生きものの大量絶滅につながる可能性が示されました。
 さらに4月13日には、ドイツのベルリンにおいて第3作業部会「気候変動の緩和」が、温室効果ガスの削減策に関する研究成果をまとめた報告書を公表しました。この報告書によると全世界の温室効果ガスの排出量を21世紀末までにゼロにする必要があること、また、エネルギーの転換などの大変革によって、これを達成することが可能であることを示しています。
 なお第1作業部会「温暖化の科学」の報告書は、すでに2013年9月に公表されています。

                図―1 IPCC第3作業部会報告書の表紙
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 今回は、IPCCの第5次評価報告書のうち、最近公表された2つの報告書についてその内容を学習しようと思います。

1.第2作業部会(影響と適応)報告書の概要
 報告書の要点は3つあります。[1]

①今後の温度上昇は避けられないため「適応」の準備をしなければならないこと、
②21世紀末の気温上昇が4℃になってしまう場合と、2℃に抑えられる場合では、予測される影響に大きな相違があること、
③「適応」を行えば影響を少なからず軽減することができるが、4℃までも気温が上昇する場合は、「適応」も不可能となるケースが多くなること、

         図―2 IPCCが予測する温暖化シナリオ
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    RCP8.5:気候変動対策(温室効果ガスの排出削減)をまったく行わなかった場合、
    RCP2.6:徹底的に行った場合、
    RCP4.5、RCP6.0:2つの中間の場合を含む4つのシナリオ
     出典:地球環境研究センターニュース 2014年4月号 [Vol.25 No.1]

 そして温暖化の影響はもはや仮定の話ではなく、水資源や農作物、生態系などすべての大陸と海洋で「影響が現われている」といいます。(前回の「影響をうけつつある」という表現よりも断定的になりました)

〇21世紀末に4℃になった場合に温暖化の影響を受ける主要なリスク分野として、8つの分野を挙げています。[2]

 ◆海面の上昇や高潮などによって沿岸部で大規模な被害を受けること
 ◆大都市部では洪水による被害が増大すること
 ◆電気や水道など社会インフラが異常気象によって機能を停止すること
 ◆特に都市部では熱波による死亡者が生じ健康被害が増大すること
 ◆高温や干ばつなどによって食料生産が減少しその供給が途絶すること
 ◆水不足に伴う農作物減産によって農村地域の経済的被害が増大すること
 ◆海洋生態系の損失によって漁業生産の減少が増大すること
 ◆陸域や内水生態系の損失によって自然の恵みの喪失をもたらすこと

〇さらに内戦などの暴力的衝突を増加させ、国家の安全保障政策にも影響を及ぼすといいます。

          図―3 地球温暖化、世界の最悪のシナリオ
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     出典:大阪エコライフ地球温暖化対策地域協議会 <http://o-ecolife.com/>

 詳しくは「第2作業部会報告書」[3]を参照してください。
<http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial
=24277&hou_id=17966>

2.第3作業部会(気候変動の緩和)報告書の概要[4][5]
 報告書によると全世界の排出量は現在も増加の傾向にあり、排出削減に本格的に取り組まなければ、21世紀末に気温は3.7℃~4.8℃上昇するとしています。地球環境の致命的な激変を避けるためには、産業革命前と比べた気温の上昇を2℃以内に抑える必要があるとされています。
 気温上昇を2℃以内に抑えるには、全世界の排出量を2050年には2010年比で40~70%削減し、2100年には「ほぼゼロかマイナス」にしなければならないとしています。

 以下に報告書のポイントを列挙します。

〇温室効果ガス排出量の約65%が、化石燃料と工業過程から排出されるCO2で占めている。
〇過去から現在までに排出した人為的CO2の累積排出量のうち、その約50%は最近の40年間で排出している。
〇温暖化対策を現在以上に行わない場合は排出量は増加し、21世紀末には約4℃前後まで上昇する可能性が高い。

〇2℃以内に抑えるためには、2050年には排出量を2010年比で40%~70%削減しなければならず、2100年には排出量をゼロかマイナスにしなければならい。
〇現在以上の温暖化対策を遅らせて2030年まで放置すると、2℃以内に抑えることが非常に困難になる。
〇電力の脱炭素化は経済性の高い削減方法なので、2050年までに電力に占める再生可能エネルギーなどの「低炭素エネルギー」の割合を30%~80%に引き上げることが必要である。

〇石炭の使用が世界の脱炭素化を妨げてきたので、石炭を最新鋭のガス火力やコジェネに代替していくことによって、排出量を大幅に削減可能である。また「二酸化炭素の貯留(CCS*)」の開発と実用化に大きな期待を持っている。
〇2℃以内に抑えるための対策に必要な経済的コストは、経済成長の伸び率を年0.04~0.06%%押し下げる程度である。
〇排出量を大幅に削減するためには投資の流れを変えなければならず、投資を化石燃料から再生可能エネルギー等へシフトすることが必要である。

 詳しくは「第3作業部会報告書」[5]を参照してください。<http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18040>

*CCS:二酸化炭素の回収・貯蔵 (Carbon dioxide Capture and Storage, CCS)、二酸化炭素の貯留とは、気体として大気中に放出された、あるいは放出される直前の二酸化炭素を人為的に集め、地中・水中などに封じ込めること、また、その技術のことである。
 回収方法として代表的なものの1つが、火力発電所や工場などで燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素を回収するもの、つまり排出源から効率よく回収を行いそれを貯蔵する方法である。[出典:Wikipedia]

         図―4 二酸化炭素の貯留(CCS)
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    出典:東洋エンジニアリング htpp://www.toyo-eng.co.jp

おわりに
 今回はIPCCの第5次評価報告書のうち、第2作業部会(影響と適応)と第3作業部会(気候変動の緩和)の2つの報告書について、その内容を学習しました。まとめとしては、

①地球温暖化現象が仮定のことではなく現実の問題として認識されたこと、
②地球環境を維持するために21世紀末で気温上昇を2℃以内に抑えなければならないが、現状の抑制対では極めて困難であること、
③気温上昇が21世紀末で4℃前後まで上昇した場合、地球環境は壊滅的な影響を受けること、
④地球温暖化の抑制策は、現行以上の対策を早期に実施すべきあり、新技術の開発としてとくにCCSの実用化が地球を救うと考えられること、

 ここで学習したIPCCの第5次評価報告書の結果は、COP20(2014年12月、ペルー・リマ)(第20回 国連気候変動枠組み条約締約国会議)およびCOP21(2015年12月、フランス・パリ)における「京都議定書」に代わる「新しい国際枠組」の構築に活かされることが期待されます。(COPの流れにつてはこのブログの2013年12月30日号をご覧ください

<参考文献>

[1]WWFジャパン:IPCC横浜会議:温暖化の影響と適応の報告書を発表、2014.3.31.
       http://www.wwf.or.jp/activities/2014/03/1194531.html
[2]朝日新聞:2014年4月1日、朝刊、p.3
[3]環境省:気候変動に関する政府間パネル(ICPP)第5次評価報告書・第2作業部会報告書(影響・適応・脆弱性)の公表について、平成26年3月31日
        http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=17966
[4]WWFジャパン:IPCCが「温暖化対策についての政策」の報告書を発表、2014.4.13.
       http://www.wwf.or.jp/activities/2014/04/1196913.html
[5]環境省:気候変動に関する政府間パネル(ICPP)第5次評価報告書・第3作業部会報告書(気候変動の緩和)の公表について、平成26年4月14日
       http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=18040
                                                  以上
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by wister-tk | 2014-05-28 10:31 | 環境学習など

家庭でできる温暖化対策・その3 テレビ・エアコンの省エネ  

はじめに
 前々回は「家庭でできる温暖化対策・その1 冷蔵庫の省エネ」(2014年2月号)について、また前回は「家庭でできる温暖化対策・その2 照明の節電」(2014年3月号)について説明しました。このなかで「地球温暖化対策が重要な理由」について学習し、さらに「エネルギーの種類と省エネルギー」や「家庭からのCO2排出割合と家電の電気消費割合」についても学習しました。

 これによって家電の中で最も消費電力の大きいのが冷蔵庫(14.2%)であり、次いで消費電力の大きいのが照明器具(13.4%)であることを学びました。そこで今回は、3番目に消費電力の大きいテレビ(8.9%)と4番目に消費電力の大きいエアコン(7.4%)の省エネ方法について学習しようと思います。

1.テレビの省エネ
(1)テレビの節電行動
 テレビの省エネ方法の第1は、何と言っても出来るだけ視聴しないことです。つまり基本的には必要なときだけスイッチをオンにするようにし、無駄なものは視聴しないことと、見てもいないテレビをつけっぱなしにしないことです。

①テレビを消すときはリモコンではなく、本体の主電源をOFFにしましょう。リモコンでOFFにした場合は、待機状態になっているため電力を消費しています。旅行などで長期に留守にするときは、プラグを抜いておきましょう。
②画面の明るさを少し抑えるだけでも省エネになります。明るさを上げる前に、まずテレビの表面のホコリや汚れをふき取りましょう。
③子どもたちがテレビゲームをした後は、特に気をつけましょう。画面に何も映っていなくてもテレビの電源は入ったままです。忘れずに必ずスイッチをOFFにしましょう。

(2)節電行動と省エネ効果 [1]
①テレビを消す効果(液晶32V型、見る時間を1日1時間減らした場合の1年間の効果)
電気:16.79kWhの省エネ、約370円の節約、
原油換算:4.23L節約、CO2削減量5.9kg
②テレビの明るさを抑制する効果(液晶32V型、画面の輝度を最大から中央の最適に調節した場合の1年間の効果)
電気:27.10kWhの省エネ、約600円の節約、
原油換算:6.83L節約、CO2削減量9.5kg

2.エアコンの省エネ
 エアコンの省エネを考えるに当たっては、基本的な事項として住宅の断熱性能があります。最近の新築住宅では、高断熱性能の仕様が一般的となっています。ですから既存の住宅においては、家の中で最も熱の出入りの激しい窓の断熱対策として、複層ガラスへの交換や二重サッシ窓への改造が望まれます。また高断熱の断熱スクリーンなどの設置は、比較的価格も安く、素人でも施工できるのでお勧めです。

 なお、「断熱スクリーン」については、このブログの2010年12月2日号「自分でできる温暖化防止対策は?」を参照してください。

図―1 断熱スクリーンの施工例
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出窓の断熱施工例:窓ガラスの内側にロールスクリーン、出窓の内側にハニカム・サーモスクリーン、さらに布カーテンとなっています。サーモスクリーンの両側はレール付となっていて断熱性能を高めています。

 省エネを目指したエアコンの温度設定は、当然のことですが冷房時には高めに、暖房時には低めに設定し、さらにエアコンの運転時間を最小にすることです。実際の設定温度は、住宅の断熱性能に大きく依存するので、目標温度に対して設定温度は、個々の条件によって異なってきます。一般に推奨されている室温の目標とする設定温度は、夏は28℃、冬は20℃と言われています。

(1)省エネエアコンの選び方 [2][3]
エアコンを選定するときの基準は、その目的によって様々ですが「省エネ」と言う点にしぼって選ぶときには、「統一省エネルギーラベル」をチェックするのが、最も簡単だと思います。エアコンは、この「統一省エネラベル」に指定されている家電製品ですので、店頭やカタログなどでラベルの内容を知ることができます。「統一省エネラベル」は、図-2に示すような様式です。

図―2 統一省エネルギーラベル [2]
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〇多段階評価:エアコンの場合は「省エネ基準達成率」によって★の数が次のように決められていて、★の数が多いほど省エネ性能が優れていることを表しています。

★★★★★ 省エネ基準達成率:121%以上
★★★★  114%以上121%未満
★★★   107%以上114%未満
★★    100%以上107%未満
★     100%未満

〇省エネ基準達成率:省エネ基準(目標値)を、どの程度達成しているかをパーセントで示します。この数値が大きいほど、省エネ性が優れた製品といえます

〇年間の目安電気料金:エネルギー消費効率や年間消費電力を電気料金に換算して、わかりやすくした数値です。

〇通年エネルギー消費効率(APF):「APF」とは「Annual Performance Factor」の略ですが、文字どおり「年間を通したエネルギーの消費効率」と言う意味です。
APFの数値が大きいほど省エネ性能が優れています。室内機の形態、冷房能力、室外機の寸法が同じならば、省エネ基準達成率が高いほど省エネ性に優れ、年間消費電力量も少なくなります。
また、このAPFの数値は、「省エネ基準達成率」より重要なのでよく注意して確認しましょう。
1例として次の場合を比較してみますと、

[A] : 10畳3.6kWの場合 「省エネ基準達成率」108%、「APF」6.3
[B] : 12畳4.2kWの場合 「省エネ基準達成率」116%、「APF」5.7

達成率では、[B]の方が優秀に見えますが、「APF」では[A]の方が効率がよいということがわかります。このように、達成率はあくまで「目標値に対しての達成率」ですので、必ず「APF]と合わせて確認するようにしましょう。[3]

(2)エアコンの節電行動
〇冷房のときの注意
①室温の設定は出来るだけ高くしましょう。
②扇風機を併用して体感温度を下げましょう。
③窓やドアの開閉はできるだけしないようにしましょう。
④外部からは直射日光が入らないよう日除けをしましょう。
⑤室内側にはレースのカーテンやすだれを設置して陽射しを抑えましょう。
⑥留守にするときや人のいない部屋は、日中でもカーテンを閉めて外からの熱を遮断しましょう。カーテンは厚手の方が断熱効果があります。

〇暖房のときの注意
①室温の設定は出来るだけ低くしましょう。
②扇風機を併用して天井側の暖かい空気を床の方に循環させましょう。
③窓やドアの開閉はできるだけしないようにしましょう。
④窓には厚手のカーテンを使用して熱の放出を抑えましょう。
⑤外からの冷気は重いので、まるで冷たい水のようにチョットの隙間からも侵入してきます。ですからカーテンなどで遮蔽するときも、少しの隙間も出来ないようにすることが重要です。

〇室外機に対する注意
②風通しの良いところに設置しましょう。
②夏季の直射日光を避けるために日除けをしましょう。
③吹き出し口の前方に遮蔽物がないようにしましょう。
④周囲はきちんと整理整頓しましょう。

(3)節電行動と省エネ効果 [1]
〇冷房の場合
①温度設定の効果(外気温度31℃のとき、2.2kwのエアコンの設定温度を27℃から28℃に変更して、1日9時間運転した場合の1年間の効果)
電気:30.24kWhの省エネ、約670円の節約、
原油換算:7.62L、CO2削減量:10.6kg

②運転時間の効果(設定温度28℃で運転時間を1日1時間短縮した場合)
電気:18.78kWhの省エネ、約410円の節約、
原油換算:4.73L、CO2削減量:6.6kg

〇暖房の場合
①温度設定の効果(外気温度6℃のとき、2.2kwのエアコンの設定温度を21℃から20℃に変更して、1日9時間運転した場合の1年間の効果)
電気:53.08kWhの省エネ、約1,710円の節約、
原油換算:13.38L、CO2削減量:18.6kg

②運転時間の効果(設定温度20℃で運転時間を1日1時間短縮した場合の1年間の効果)
電気:40.73kWhの省エネ、約900円の節約、
原油換算:8.05L、CO2削減量:11.2kg

〇フィルター交換の効果(2.2kwのエアコンでフィルターが目詰まりしている場合と月に1,2回清掃した場合の1年間の効果)
電気:31.95kWhの省エネ、約700円の節約、
原油換算:8.05L、CO2削減量:11.2kg

おわりに
 3回にわたって「家庭でできる温暖化防止対策」の対象となる冷蔵庫、照明器具、テレビとエアコンの「省エネ」について学習しました。今回は、家電のなかでも冷蔵庫、照明器具に次いで消費電力の大きいテレビとエアコンについて、その省エネ方法について学習しました。また特に省エネエアコンの選択のポイントとなる「省エネラベル」について学びました。

 さらにエアコンの省エネを目指した場合に重要なことは、住宅自体の断熱性能であることを改めて認識しました。既存の住宅においては、断熱性能の最も劣る窓の対策が重要なことを学び、二重サッシ窓にすることや断熱スクリーンなどの設置が、エアコンの省エネに効果のあることを学びました。

 わが家では比較的大型の窓は二重サッシに、また小型の窓は複層ガラスとし、さらにこれらのいずれもが施工出来ない窓については、ハニカム・サーモスクリーンを設置しました。その効果は、想像以上で驚いています。
 また夏季にはエアコンの省エネを目的に、夜間に冷気を取り入れるため、寝室の窓の雨戸をルーバー付の雨戸(エコ雨戸)に交換しました。ルーバーはブラインドのように羽根が自由に動くので、開放する隙間を加減でき、完全に閉鎖することもできます。お陰様で真夏の夜もエアコンのお世話にならずに快適に睡眠できます。

 また、わが家では2階にある居間の南側のバルコニーに、日除けスクリーン(オーニングスクリーン、2.7m)を、昨年春に設置しました。日除けスクリーンが、バルコニーとテラス窓全体を太陽熱から守ってくれるので、その効果は本当に予想を超えたものです。
 なお、ハニカム・サーモスクリーン、ルーバー付雨戸、それに日除けスクリーンも、日曜大工程度の腕前で十分施工できますので、比較的安価に設置することができます。

 3回にわたって掲載した「家庭でできる温暖化対策」の投稿によって、みなさんが、省エネに対する関心を少しでも喚起していただければ大変幸いと思います。

< 参 考 文 献 >
1.経済産業省・資源エネルギー庁:(出典:「家庭の省エネ大事典」
  (一財)省エネルギーセンター作成
  <http://www.eccj.or.jp/dict/index.html>)
2.一般社団法人 家電製品協会 HP、省エネ家電de温暖化防止
  <http://www.shouene-kaden2.net/learn/eco_label.html>
3.All About HP、エアコンの「省エネ度」は必ずチェック、
  <http://allabout.co.jp/gm/gc/68/>
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by wister-tk | 2014-04-29 21:43 | 環境学習など

家庭でできる温暖化対策・その2 照明の節電  

はじめに
 前回の「家庭でできる温暖化対策・その1 冷蔵庫の省エネ」(2014年2月号)では、まず「地球温暖化対策が重要な理由」について学習しました。次いで「エネルギーの種類と省エネルギー」や「家庭からのCO2排出割合と家電の電気消費割合」についても学習し、この結果に基づいて、まず家電の中で最も消費電力の大きい冷蔵庫(14.2%)の省エネ方法について学習しました。
 今回は冷蔵庫に次いで消費電力の大きい照明器具(13.4%)について、その省エネ方法について学習しようと思います。

照明器具の節電方法
 照明器具の省エネ方法は、比較的単純です。つまり基本的には「省エネ器具」に交換することと、点灯時間を短くすることの2点です。

①器具を省エネ型に換える → 器具をLED照明器具に交換して節電
②明るさを調節する → 少し暗くして節電
③点灯時間を短くする → 使用電力を必要最小限にして節電
④不要な照明を消す→ スイッチをこまめに切って節電
⑤消灯時間を早くする → タイマーや自動点滅にして節電

照明器具の省エネ比較
 白熱電球の寿命が、約1000時間(0.5年)に対して電球形蛍光ランプは約6000~10000時間(3~5年)、またLED電球は約40000時間(20年)となっています(年数は年間点灯時間:2000時間として計算)。また電力消費では、白熱電球を100%とすると、電球型蛍光ランプは約25%、LED電球は約19%となります(図―1)。

         図―1 白熱電球・電球型蛍光ランプ・LED電球のコスト比較 [1]
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                         出典:資源エネルギー庁

 図―2は白熱電球、電球形蛍光ランプとLED電球の間の時間~コスト関係を示します。白熱電球と電球形蛍光ランプは、約4か月半(750時間)程度でコストが逆転しています。また、白熱電球とLED電球は、約5か月(820時間)程度でコストが逆転し、電球形蛍光ランプとLED電球は、約3年(6000時間)程度でコストが逆転しています。この結果は、当然ながらLED電球が初期コストが高いにもかかわらず、優れた省エネ性能と長寿命に起因することは明らかです。

 なお図―2は、次のような条件で作成されています。
白熱電球、電球形蛍光ランプとLED電球の購入価格は、それぞれ2000円、800円、100円、また、年間点灯時間:2000時間、電気代:22円/kwh、消費電力:白熱電球54W、電球形蛍光ランプ12W、LED電球9W

        図―2 白熱電球・電球型蛍光ランプ・LED電球の時間―コスト関係 [1]
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                       出典:資源エネルギー庁

LED電球の選び方 [2][3]
口金:ソケットに差し込む部分です。
最も一般的なLED電球の「一般電球形」の口金は、白熱電球と同じ「E26口金」(直径が26mm)なので、そのまま交換して使えます。

種類:いろいろなタイプがあります。
一般照明用としては、一般電球形、ボール電球形、ミニクリプトン形があります。その他にスポット照明用があります。

明るさ:LED電球の明るさは「ルーメン」で表します。
一般的には白熱電球の明るさの目安となる「何ワット形相当」という言い方をします。

明るさの比較:LED電球に取り換えるときの参考です。
図-3は、白熱電球、電球形蛍光ランプ、LED電球の明るさを比較したものです。例えば60ワット形の白熱電球を、同じ明るさのLED電球に交換するには、E26口金の場合は810ルーメンの明るさのLED電球を選べばいいことになります。

               図―3 3種類の電球の明るさの比較 [4]
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                      出典:日本電球工業会資料

光の広がり方(配光):光の出ている方向とその光の広がり方です。
白熱電球の光は上下方向、横方向ともにほぼ同じ明るさですが、LED電球では直下が明るく横方向は暗く、上方向はまったく暗いと言う特徴があります。

光色:LED電球には2つの色合いがあります。
白熱電球の色合いに近い「電球色」と昼間のような白い色合いの「昼白色」の2種類です。色合いによって雰囲気が異なるので、使う場所や好みによって選びます。

器具:電球に組み合わせる照明器具の選択も大切です。
LED電球と照明器具を組み合わせるときは、明るさや配光の相性が大切です。また照明器具の使用条件も大切です。特に調光機能の付いた器具には「調光器対応」のLED電球を使わなければなりません。

おわりに
 前回は家庭でできる温暖化防止対策のひとつとして「冷蔵庫の省エネ」について学習しましたが、今回は、家電のなかでも冷蔵庫の次に消費電力の大きい照明器具について、その省エネ方法とLED電球に交換する場合の注意事項ついて学習しました。

 既存の照明器具からLED照明器具への交換については、わが市においても自治会が管理する防犯灯について、補助金を助成して省エネに取り組んでいます。既存の蛍光灯器具1基あたり2万円の補助金が出されており、わが自治会ではこの制度を利用して、蛍光灯からLED照明器具に交換しました。お陰様で町内は前よりも明るくなり、防犯効果があがるとともに省エネにも貢献できて、しかも蛍光管の取り換えなどの維持管理の手間も省けて、効果満点と言ったところです。

 わが家においては、過去において既に白熱電球から電球形蛍光ランプに交換しましたが、最近、さらに電球形蛍光ランプをLED電球に交換しました。調光器付の器具が2個ありますが、最近では調光器対応形のLED電球がありますので、安心して調光器を使用することができます。

 現在使用中の蛍光灯としては、直管形、リング形、ツイン形がありますが、それぞれ既存の器具を利用できるよう同じ形状寸法のLED形蛍光灯が市販されています。しかし、蛍光灯器具の種類によってそのまま利用できるものや電気工事を必要とするものなどがあって、その選択には十分な注意が必要です。グローランプ方式では特に工事の必要もなく交換できますが、安定器付の場合な回線の直結が必要となり、電気工事となりますのでプロに依頼することになります。

 今後は引き続いて他の家電製品の省エネについて、学習して行きたいと思います。

< 参 考 文 献 >
1.経済産業省・資源エネルギー庁:(出典:「家庭の省エネ大事典」
(一財)省エネルギーセンター作成
<http://www.eccj.or.jp/dict/index.html>)
<http://www.enecho.meti.go.jp/policy/general/
 howto/lighting/index.html>
2.NPO法人LED照明推進協議会
<http://www.led.or.jp/led/led_denkyu.htm>
3.東芝ライテック株式会社
<http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/
 keisan/led_denkyu/kiso.htm>
4.アイティメディア(株)
<http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/
 1209/20/news016_2.html>
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by wister-tk | 2014-03-25 22:48 | 環境学習など

家庭でできる温暖化対策・その1 冷蔵庫の省エネ

はじめに
 近年、いわゆる「異常気象」が各地で起きていますが、その特徴的な現象としては、猛暑、台風の頻発と長期化、竜巻、ゲリラ豪雨、少雨、大雪などが見られます。これらの「異常気象」は、温暖化が一因とも言われています。けれども現時点では必ずしも地球温暖化が、それらの要因と言う確証は得られていませんが、その可能性の大きいことがほぼ認められています。

 地球温暖化による具体的な影響としては、海面水位の上昇、台風・旱魃などの極端な気象現象の頻発とその強度の激しい変化、気候変動、森林・生態系の変化、水資源の枯渇、洪水・高潮の頻発、土壌の高塩分化による農作物への影響などがあります。
 また健康への影響としては、熱波など温度上昇による循環器系・呼吸器系疾患や極端な気象現象の頻発による傷害や死亡などの損害、さらに生態系や媒介動物、伝染病寄生体の活動や生息範囲の変化により病気や伝染病が発生し、アレルギー疾患などが多くなり、マラリアなどの熱帯系の病気も発生する危険が予測されています。

 そこで今回はこうした最悪の事態にならないようにするために、家庭の中で省エネを行ってCO2排出削減に寄与するにはどうすればよいか、について学習したいと思います。

地球温暖化対策が重要な理由
 ところでいわゆる「環境問題」と言われる事柄には、図―1に示すように多くの事象があります。しかし、多くの環境問題の中でも「地球温暖化現象」は、人類はもとより地球に住む生き物にとってに破壊的な影響を与える現象であり、最重要の課題として早期の解決が求められる事象は他にありません。

          図-1 環境問題の構図(人間活動と環境問題)
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          出典:藤井卓、「環境にやさしいコンクリート」、鹿島出版、2001年

 なぜなら「温暖化現象」は、温室効果ガスの排出を止めても、すぐにはもとの状態には戻らない不可逆的現象だからです。また、「温暖化現象」は全地球規模で発生するので、自分だけあるいは特定の地域だけが、その影響を免れると言うことができません。しかも、地球上のすべての生きものの次世代以降への長期間にわたる影響は避けられません。

 これらのことが、いわゆる「公害」と言われた工場排水とか自動車排気ガスなどの環境問題とは大きく違う点です。さらに悪いことに「地球温暖化現象」は、現在の最先端の科学技術を以てしても、まだまだ不確実な事柄が多いと言うことです。こう言う「不確実」な「不可逆的現象」の影響を受ける状況の中にあって、我々に必要なことは、やはり何と言っても「安全側の行動」をとると言うことだと思います。つまり元に戻ることのできない最悪の事態を避けるために、もしかしたら「ムダ」かも知れないけれども、最善を尽くすことだと思います。そのために家庭でもできることが沢山あります。

エネルギーの種類と省エネルギー
「省エネ」は「温暖化対策」そのものです。と言うのは
エネルギーの種類としては、

〇化石燃料エネルギー:電気(石炭・石油・ガス火力)、ガス(天然ガス、プロパンガス、)、
石油(ガソリン、灯油、軽油、重油)
〇非化石燃料エネルギー:
・再生可能エネルギー:水力発電、太陽光発電、風力発電、地熱発電、温度差利用、バイオマス、太陽熱利用、地中熱利用、雪氷熱利用、その他
・原子力エネルギー:原子力発電

などがありますが、
 これらの種々のエネルギーのうち、省エネによって温暖化対策に貢献できるエネルギーは、燃焼によってCO2を排出する「化石燃料エネルギー」です。ですから電気、ガス、石油を節約して省エネをすることによって、温室効果ガスの排出を抑制し、地球温暖化防止対策と言う目的を達成することができる、と言う訳です。

ですが電気は、化石燃料に由来する電気だけを節約するという訳にはいかず、家庭で使う電気には化石燃料エネルギーと再生可能エネルギーや原子力エネルギーの非化石燃料エネルギーも混ざっています。けれども現在のところ電気全体に占める化石燃料エネルギーの割合は、前回のこのブログで学習したとおり88.4%(2012年)となっているので、やはり電気の節約は温暖化対策に大きな影響があると言えるでしょう。

家庭からのCO2排出割合と家電の電気消費割合
 家庭から排出されるCO2の全体に占める割合は、図―2に示すように家電などから15%、自家用車から6%で合計の家計関連としては22%となっています。この割合は、産業関連の34%よりは少ないのですが、業務その他の20%を超えています。このことは家計部門の温室効果ガスの排出削減、つまり省エネがわが国の全体の温室効果ガス排出削減に大きく影響することを示しています。

          図―2 CO2の部門別排出量の内訳(2011年度)
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          出典:国立環境研究所、「平成23年度の温室効果ガス排出量(確定値)
                          について」2013年
              http://www.nies.go.jp/whatsnew/2013/
                    hrfba300000ar23o-att/honbun.pdf

 さらに家庭における電気製品毎の消費電力の割合は図-3のようになっていて、冷蔵庫14.2%、照明器具13.4%、テレビ8.9%、エアコン7.4%の順となり、冷蔵庫が最も電力を消費していることがわかります。

          図-3 家庭における電気製品毎の消費電力の割合
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    出典:経済産業省 総合エネルギー調査会 省エネルギー基準部会(第17回)資料 
         「トップランナー基準の現状等について」(平成23年12月26日)
        中部電力HP:http://www.chuden.co.jp/ryokin/information/
                        economy/hiketsu/chishiki1/index.htmlより

 一般的に考えてエアコンが最も電力消費が大きいと思われますが、上記の調査結果では冷蔵庫の消費電力が最も大きいと言う結果になっています。しかし、上記は通年の場合であり、これが夏季となりますと図―4のように、当然ながらエアコンがトップの53%となり、冷蔵庫は2位で23%となっています。

          図―4 夏の日中(14時頃)の消費電力(全世帯平均)
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   誠ブログ http://bizmakoto.jp/bizid/articles/1107/20/news013.htmlより

冷蔵庫の省エネ対策
 家庭で簡単にできる省エネとしては、以下のような方法があります。皆さんは、これらの幾つかについてすでに実行しておられることでしょう。

①スイッチをこまめに切る→ スイッチオフで使用電力を必要最小限にして節電
②待機電力をカット → 機器を使っていないときも消費される待機電力をカットして節電
③冷蔵庫の省エネ → 扉の開閉回数を少なく開閉時間を短くし、詰め込まないで節電
④照明の省エネ → 明るさや消灯時間を調節して節電!器具をLED照明器具に交換して節電
⑤エアコンの省エネ → 設定温度を夏は高く冬は低くし、風向きを調節して節電!扇風機併用で節電
⑥テレビの省エネ → 視聴時間の短縮、明るさ調節、主電源を切って節電
⑦生活スタイルを見直して省エネ → シャワーの使用方法、お風呂、暖房便座、調理方法、等々を変えて節電

今回は特に「冷蔵庫の省エネ方法」について学習したいと思います。

 以下は、「家庭の省エネ大事典」[1]からの引用です。(画像データから文字だけ転載し、一部加工しています。詳しくはここをクリックしてください。元のサイトにリンクしています

*************************************
詰め込まず、開閉を減らして
省エネレッスン
熱い物は冷ましてから保存しましょう
麦茶やカレー、シチューなど、温かいものをそのまま冷蔵庫に入れていませんか?
庫内の温度が上がり、冷やすのに余分はエネルギーが消費されるのでご注意。

冷蔵庫に入れるものは?
冷蔵庫の中を整理しましょう。
ずっと前に食べ残した食品が、冷蔵庫の奥に眠っていませんか?
「とりあえず保存」は、結局食べずに捨てられることが多いようです。
また、常温で保存できるものを冷蔵庫に入れていませんか?
缶詰、ビン詰や調味料は、未開封なら冷蔵庫に入れないで!

省エネ行動と省エネ効果:
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            *JIS 開閉試験:冷蔵庫は12分毎に25回、冷凍庫は40分毎に8回で、開放時間はいずれも10秒

*************************************
<以上で引用部分は終わりです>

 上述の省エネ効果は、1台の冷蔵庫の1年間における結果です。わが国における家庭用冷蔵庫の年間出荷台数は、2001年から2013年の13年間で年間平均で約400万台[2]となっています。現在、実際に稼働している台数は、まだ調査できていませんが、冷蔵庫の耐用年数を5年としても予想される稼働台数は相当な数になると思われますので、1台当たりの省エネは僅かであっても全国レベルでは、想像以上の省エネになることは間違いないでしょう。
 ちなみにわが国の総住宅数は5,759万戸、また総世帯数は4,997万世帯(総務省統計局、平成20年資料)となっていますので、1世帯に1台の冷蔵庫があるとすれば、これまた相当な省エネが可能と言うことになります。

おわりに
 環境問題の多様性の中でも「地球温暖化問題」が最も重要な課題であり、わが国の温室効果ガスの排出量に占める家計部門の割合が22%と第2位であり、家計部門での省エネが温暖化防止効果の寄与に極めて重要なことを知りました。さらに家庭の電気器具のうち冷蔵庫からの排出量が最も大きいことを学習し、そのうえで冷蔵庫の省エネ方法について学び、省エネ行動とその効果についても学習しました。
 今回は家庭でできる温暖化防止対策のひとつとして「冷蔵庫の省エネ」にしぼって学習しましたが、冷蔵庫の他に照明器具やエアコンも大切な省エネの対象ですので、これらについては、今後、引き続いて学習して行きたいと思います。

< 参 考 文 献 >
1.経済産業省・資源エネルギー庁のHP:(出典:「家庭の省エネ大事典」
   (一財)省エネルギーセンター作成 http://www.eccj.or.jp/dict/index.html)
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/general/howto/kitchen/index.html
2.日本電機工業会、電気機器の生産見通し 資料、2013年3月
http://www.jema-net.or.jp/Japanese/data/mitoshi/pdf/2013mi_data.pdf
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by wister-tk | 2014-02-27 22:48 | 環境学習など