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環境における森林の役割とは?(2)

2.成長過程におけるCO2の吸収・固定
森林によるCO2の吸収と放出の収支は単純ではありません。まず、葉の部分では光合成が行われる場合はCO2の固定がおこなわれ、CO2 + H2O → CH2O + O2 炭水化物が生成します。一方、呼吸を行う場合は、上とは逆の反応 CH2O + O2 → CO2 + H2O が生じCO2を放出します。さらに落葉、落枝、倒伏・枯死木、枯死根などに土壌微生物や木材腐朽菌、落葉菌が作用してCO2を放出します。また、森林を生息域とする森林動物や土壌小動物の排泄物や遺体に土壌微生物が作用して腐食分解してCO2を放出します。

図 - 森林のCO2吸収・放出のしくみ
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ですから、森林がCO2の固定源となるには、光合成によるCO2吸収量が、他のCO2放出量を超過しなければなりません。そのためには森林は常に成長過程になければならないのです。こうした理由から成熟して成長を停止した樹木は、伐採して木材として利用することが重要です。当然のことですが伐採と植林をバランスよく行い、常に最良のCO2吸収能力を保持するように計画しなければなりません。前に述べたように全世界的に見た場合、現時点では森林はCO2を放出する側にありますが、わが国だけで見ますと、森林のCO2吸収量は年平均100万tCであり、1990年のわが国の温室効果ガス総排出量、3.34億tCの約0.3%に当たります23) 。(次回へ続く)
藤井卓著:「環境にやさしいコンクリート」(2001年、鹿島出版)より抜粋
by wister-tk | 2012-05-26 20:55 | 環境学習など