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はじめに
前回の「家庭でできる温暖化対策・その1 冷蔵庫の省エネ」(2014年2月号)では、まず「地球温暖化対策が重要な理由」について学習しました。次いで「エネルギーの種類と省エネルギー」や「家庭からのCO2排出割合と家電の電気消費割合」についても学習し、この結果に基づいて、まず家電の中で最も消費電力の大きい冷蔵庫(14.2%)の省エネ方法について学習しました。 今回は冷蔵庫に次いで消費電力の大きい照明器具(13.4%)について、その省エネ方法について学習しようと思います。 照明器具の節電方法 照明器具の省エネ方法は、比較的単純です。つまり基本的には「省エネ器具」に交換することと、点灯時間を短くすることの2点です。 ①器具を省エネ型に換える → 器具をLED照明器具に交換して節電 ②明るさを調節する → 少し暗くして節電 ③点灯時間を短くする → 使用電力を必要最小限にして節電 ④不要な照明を消す→ スイッチをこまめに切って節電 ⑤消灯時間を早くする → タイマーや自動点滅にして節電 照明器具の省エネ比較 白熱電球の寿命が、約1000時間(0.5年)に対して電球形蛍光ランプは約6000~10000時間(3~5年)、またLED電球は約40000時間(20年)となっています(年数は年間点灯時間:2000時間として計算)。また電力消費では、白熱電球を100%とすると、電球型蛍光ランプは約25%、LED電球は約19%となります(図―1)。 図―1 白熱電球・電球型蛍光ランプ・LED電球のコスト比較 [1] ![]() 出典:資源エネルギー庁 図―2は白熱電球、電球形蛍光ランプとLED電球の間の時間~コスト関係を示します。白熱電球と電球形蛍光ランプは、約4か月半(750時間)程度でコストが逆転しています。また、白熱電球とLED電球は、約5か月(820時間)程度でコストが逆転し、電球形蛍光ランプとLED電球は、約3年(6000時間)程度でコストが逆転しています。この結果は、当然ながらLED電球が初期コストが高いにもかかわらず、優れた省エネ性能と長寿命に起因することは明らかです。 なお図―2は、次のような条件で作成されています。 白熱電球、電球形蛍光ランプとLED電球の購入価格は、それぞれ2000円、800円、100円、また、年間点灯時間:2000時間、電気代:22円/kwh、消費電力:白熱電球54W、電球形蛍光ランプ12W、LED電球9W 図―2 白熱電球・電球型蛍光ランプ・LED電球の時間―コスト関係 [1] ![]() 出典:資源エネルギー庁 LED電球の選び方 [2][3] 口金:ソケットに差し込む部分です。 最も一般的なLED電球の「一般電球形」の口金は、白熱電球と同じ「E26口金」(直径が26mm)なので、そのまま交換して使えます。 種類:いろいろなタイプがあります。 一般照明用としては、一般電球形、ボール電球形、ミニクリプトン形があります。その他にスポット照明用があります。 明るさ:LED電球の明るさは「ルーメン」で表します。 一般的には白熱電球の明るさの目安となる「何ワット形相当」という言い方をします。 明るさの比較:LED電球に取り換えるときの参考です。 図-3は、白熱電球、電球形蛍光ランプ、LED電球の明るさを比較したものです。例えば60ワット形の白熱電球を、同じ明るさのLED電球に交換するには、E26口金の場合は810ルーメンの明るさのLED電球を選べばいいことになります。 図―3 3種類の電球の明るさの比較 [4] ![]() 出典:日本電球工業会資料 光の広がり方(配光):光の出ている方向とその光の広がり方です。 白熱電球の光は上下方向、横方向ともにほぼ同じ明るさですが、LED電球では直下が明るく横方向は暗く、上方向はまったく暗いと言う特徴があります。 光色:LED電球には2つの色合いがあります。 白熱電球の色合いに近い「電球色」と昼間のような白い色合いの「昼白色」の2種類です。色合いによって雰囲気が異なるので、使う場所や好みによって選びます。 器具:電球に組み合わせる照明器具の選択も大切です。 LED電球と照明器具を組み合わせるときは、明るさや配光の相性が大切です。また照明器具の使用条件も大切です。特に調光機能の付いた器具には「調光器対応」のLED電球を使わなければなりません。 おわりに 前回は家庭でできる温暖化防止対策のひとつとして「冷蔵庫の省エネ」について学習しましたが、今回は、家電のなかでも冷蔵庫の次に消費電力の大きい照明器具について、その省エネ方法とLED電球に交換する場合の注意事項ついて学習しました。 既存の照明器具からLED照明器具への交換については、わが市においても自治会が管理する防犯灯について、補助金を助成して省エネに取り組んでいます。既存の蛍光灯器具1基あたり2万円の補助金が出されており、わが自治会ではこの制度を利用して、蛍光灯からLED照明器具に交換しました。お陰様で町内は前よりも明るくなり、防犯効果があがるとともに省エネにも貢献できて、しかも蛍光管の取り換えなどの維持管理の手間も省けて、効果満点と言ったところです。 わが家においては、過去において既に白熱電球から電球形蛍光ランプに交換しましたが、最近、さらに電球形蛍光ランプをLED電球に交換しました。調光器付の器具が2個ありますが、最近では調光器対応形のLED電球がありますので、安心して調光器を使用することができます。 現在使用中の蛍光灯としては、直管形、リング形、ツイン形がありますが、それぞれ既存の器具を利用できるよう同じ形状寸法のLED形蛍光灯が市販されています。しかし、蛍光灯器具の種類によってそのまま利用できるものや電気工事を必要とするものなどがあって、その選択には十分な注意が必要です。グローランプ方式では特に工事の必要もなく交換できますが、安定器付の場合な回線の直結が必要となり、電気工事となりますのでプロに依頼することになります。 今後は引き続いて他の家電製品の省エネについて、学習して行きたいと思います。 < 参 考 文 献 > 1.経済産業省・資源エネルギー庁:(出典:「家庭の省エネ大事典」 (一財)省エネルギーセンター作成 <http://www.eccj.or.jp/dict/index.html>) <http://www.enecho.meti.go.jp/policy/general/ howto/lighting/index.html> 2.NPO法人LED照明推進協議会 <http://www.led.or.jp/led/led_denkyu.htm> 3.東芝ライテック株式会社 <http://www.tlt.co.jp/tlt/lighting_design/syoene/ keisan/led_denkyu/kiso.htm> 4.アイティメディア(株) <http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/ 1209/20/news016_2.html> ▲
by wister-tk
| 2014-03-25 22:48
| 環境学習など
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